アメリカ東部時間2022年9月21日(水)、アメリカ議会図書館は EBSCO FOLIO Services を利用して FOLIO へ移行し、Library Collections Access Platform を通じて「蔵書管理とアクセスの変革を行う」ことを発表しました。この発表では、アメリカ議会図書館が FOLIO への移行を「図書館の膨大な物理的・デジタルコレクションを管理し、市民・議会・議会図書館職員・その他の機関がアクセスできるようにする方法を革新する、新しいオープンソースの IT プラットフォームをさらに開発・導入するため」の手段であると考えていることが明らかにされています。

すでに世界60以上の機関が EBSCO FOLIO を使用しており、今後数年の間にさらに多くの機関(MOBIUS コンソーシアム/米国を含む)での導入が予定されています。 今回の米国議会図書館の決定は、図書館とベンダーが構築するオープンソースの図書館サービスプラットフォームである FOLIO が、世界中の図書館における有力な選択肢であること、また広範囲に影響を及ぼす革命的な決定の一部であることを、確固たるものにしたと言えるでしょう。

議会図書館の司書である Carla Hayden は、プレスリリースの中でこう述べています:

「これは、より多くの人々と議会図書館の所蔵を結びつけるべく、私たちが行っているユーザー中心型アプローチにおけるマイルストーンです。私たちは議会の惜しみない投資に感謝しています。この次世代システムは、地理的な隔たりを埋め、リーチを広げ、サービスを向上させるためにテクノロジーを活用するという、議会図書館の digital-forward 戦略に不可欠なものです。」

この "digital-forward" 戦略のひとつに、米国議会図書館が BIBFRAME で行ってきた作業の拡大を含めた、質の高いメタデータにアクセスするための新しく現代的なアプローチがあります。BIBFRAME は、前出のプレスリリースでは「議会図書館とパートナー組織により開発中の新しい書誌記述規格で、図書館コミュニティの内外で書誌情報をより有用にするためにリンクドデータモデルを使用するもの」として言及されています。

EBSCO Information Services 米国本社 Executive Vice President of Library Services and Research Databases である Gar Sydnor は、アメリカ議会図書館とのパートナーシップは FOLIO プロジェクトにとって大きなチャンスであると述べています。
「米国議会図書館の担当チームと協力し、デジタルアクセスに最新のアプローチを提供することができるのは、名誉なことであり、またオープンソース技術の力を示すものと考えています。国際的なリーダーであり、他のどの図書館システムよりも多くの蔵書を持つ米国議会図書館のために我々が行う仕事は、世界中の図書館とその利用者に、真に革命的な影響を与えることになると確信しています」

Sydnor はまた、EBSCO が FOLIO プロジェクトに主要な開発リソースを提供し、世界に通用するレベルのサポートサービスを提供することで、例え最大規模の機関であってもオープンソース・ソリューションを実現できるよう支援していると述べています。
「設計上、EBSCOのようなベンダーに支えられているオープンソースのコミュニティは、プロフェッショナルなホスティング、プロフェッショナルなサポートというプロジェクト創設の原則である適応性を証明する上で役立っています。私共はオープンソースソフトウェアの実装・ホスティング・サポートサービスを提供していますので、お客様は安心してオープンソースソフトウェアを使用できます。ILS / LSP や図書館サービス市場全体の統合が進む中、FOLIO はオープンソースであり、また今後もオープンソースであり続けるため、機関はオープンソースという選択肢を持ち、プラットフォームに最適なサービスプロバイダーを選択する機会を得ることができます」

「次世代」という言葉は、統合図書館システムや新しい図書館サービスプラットフォームなど、図書館自動化システムに電子リソースをよりシームレスに取り入れるための新しいサービスを表す言葉として使われています。 EBSCO 社と、議会図書館のような大規模な図書館機構、もしくは MOBIUS のようなコンソーシアムとの連携は、次世代の「次世代」――すなわち未来の世代を例証するものです。

BIBFRAME とリンクドデータと通じたより深い Web ディスカバリーを拡大するためのコラボレーションに参加することは、EBSCO が独自に行うべきことと考えています。SaaS 製品を開発する主要な企業の一社として、私たちは開発力・所蔵に関する理解、検索と発見を活用し、未来に向けたイノベーションを起こすことができます。

EBSCO Discovery Service (EDS)、Panorama、Full Text Finder などの自社サービスの活用、もしくはイノベーションのツールとして FOLIO プラットフォームを開発する専門知識を活用し、EBSCO は、図書館が自館にとって意味のあるソリューションを選択し、導入できるような選択肢を提供します。
また EBSCO では、EBSCO FOLIO 図書館のための強力なホスティングサービスを構築しただけでなく、プロセスの全体を通して顧客を管理・サポートするための図書館学の専門家による実装チームを結成しました。

ILS/LSP の変更や乗り換えはとても大きな決断です。だからこそ図書館はその規模に拠らず、図書館を基盤として FOLIO プロジェクトに様々な形で貢献し、移行・導入プロセス全体をチームの一員としてサポートしてくれる企業に頼ることができるとを知ってもらうことが重要です。
FOLIO は、構想通り「Future Of Libraries Is Open(図書館の未来はオープン)」を意味します。ですが図書館のソリューションの「未来」はオープンである、と言った方が正確かもしれません。

アメリカ議会図書館が発表したプレスリリースの全文は こちら からご覧頂けます。

EBSCO FOLIO が次世代の図書館に提供するものについて詳細は こちら から。