EBSCO の AI に対する信条

EBSCO では、AI(人工知能)を扱う際の指針となる枠踏みとして、責任ある研究の原則を堅持することに努めます。

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Female student in a library working on laptop with AI illustrations layered on top of the photo

責任ある研究、責任ある AI

引用分析、三角測量、再現性、システマティックレビュー、エシカルな研究デザインなど ―― 世界的に尊ばれている学術研究行為は、学術研究に対する信頼を築くために不可欠なものです。 図書館員の皆様は長きにわたり、このような行為をサポートしてきました。 EBSCO の目標は、学術研究コミュニティにおける(前述の)信頼を維持し、個人的な目的であれ学術的な目的であれ、AI テクノロジーが学術研究プロセスを向上させることを保証することです。

EBSCO ではお客様、パートナー、取締機関からの指導に基づき、以下の通り AIに対する信条 (Tenets) を策定し、遵守しております。

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クオリティ

EBSCO では、RAG(Retrieval-Augmented Generation)、ナレッジグラフ、また図書館司書や SME(Subject Matter Experts)の厳密な審査を通じ、信頼性の高いデータに基づいた AI を構築することで、AI の正確性を担保しています。 私共は、作者の同意なしに full-text training に依存することはしません。なぜなら、それは責任ある AI として相応しくないからです。

大規模言語モデル (LLM) がナレッジグラフの形でリンクトデータに接続されると、AI の回答精度が54%向上し、同時にハルシネーションの可能性が減少することが実証されています。 EBSCO の Unified Subject Index (USI) は、あらゆる学術的な統制語彙をリンクトデータのナレッジグラフで結びつけ、また EBSCO Scholarly Graph (ESG) は1億件以上の学術論文を、そのメタデータ、引用メトリクス、著者や機関プロフィールと結びつけています。 何十億もの信頼性の高いコンテンツアーティファクトにより、私たちの AI活動は、不正確さを減らし、信頼性を高めるため、エビデンスに基づいた学術データにしっかりと根ざしています。

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Woman holding a mobile device with a circular pattern behind. Icon of a checkmark in a magnifying glass

透明性

情報に基づく意思決定には透明性が重要であり、EBSCO は明確なラベリングと説明可能な AI (explainable AI) 機能の提供に取り組んでいます。 AI の透明性に対する我々の取り組みには、以下の点を説明することも含まれています:

  • データの起源、来歴、構成
  • AI モデルにおいてソースデータをどのように使用し、重み付けしているか
  • 図書館司書や対象分野の専門家(Subject Matter Expert / SME)の寄与を含む、AI のグラウンディング・データの審査プロセス
  • AI モデルに送信されるプロンプトの構造と関連性のランキング(特定のプロンプトやアルゴリズムの開示は行いません)
  • 弊社の AI が環境に与える影響をどう管理するか

EBSCO において説明可能な AI とは、弊社の AI 機能が弊社の製品内でどのように機能するかについて透明性を提供することを意味します。 私共は、可能な限り透明性の高い AI モデルを使用することを優先し、モデルを選択する際には Stanford Transparency Index を積極的にモニターしています。

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Man holding a laptop with a circular pattern behind. Icon of a journal on a tablet

情報リテラシー

EBSCO は図書館員・図書館司書の皆様と共に、AI および情報リテラシーの向上に努めています。 AI リテラシーのリソースは、情報リテラシーの一部として、図書館職員の皆様が、合成コンテンツの検出、AI の回答の評価、また学術研究において許容される AI 慣行の理解など、責任ある AI の使用について研究者の皆様に教示する上で有益です。

研究者は、次のような問いについて検討する必要があるかもしれません:

  • 学術研究における適切な AI 利用とはどのようなものですか?
  • AI によって生成されたコンテンツが盗用でないことを保証するには、どうするのですか?
  • AI によって生成されたテキストや画像の正確性をどのように検証していますか?
  • AI はどのように引用されるべきですか? また AI によって生成されたどのようなコンテンツが引用できるのですか?
  • 非倫理的な、もしくは不正確な AI を報告し、修正するにはどうしたらいいのでしょうか?
  • 研究者が知っておくべき AI のスタンダードや規制とは?
  • AI を利用する際、研究者は審査委員会 (IRB) とどのように関与すべきでしょうか?
  • 研究に用いる AI に最適なツールは何ですか?
  • 利用した AI 、またはそのアウトプットが倫理的であり、信頼性のある情報源に基づくものであることをどのように確認するのですか?

情報リテラシーは、研究者がこれらの疑問に対する答えを導き出すための重要なスキルです。 EBSCO では、この重要な対話について図書館員の皆様をサポートし、研究者にリテラシー技術についての教育を施す支援を行うことを目指しています。

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Man holding a laptop with a circular pattern behind. Icon of a journal on a tablet
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Woman holding a laptop with a circular pattern behind. Icon of a balance

公平性

公正な AI とは、多様かつ倫理的なデータに基づき、また学術研究の経験、言語、専門知識に関係ない、コンテンツへの平等なアクセスを保証することにかかっています。 多くの大規模言語モデル (LLM) は一般的な知識は持っていますが、詳細で、また特定の領域に固有の質問には苦戦し、しばしば誤りに繋がります。 正確な検索クエリに対応するため、LLM は領域に固有のデータと専門家の審査を必要とします。

さらに、LLM は包括性を確保するために、文化的・言語的に多様なデータを理解しなければなりません。 EBSCO では、EBSCO が手掛けるデータベースが提供するユニークで多様なコンテンツや、100以上の統制語彙から280以上の言語と方言を含む Unified Subject Index (USI) などのリソースを利用して、AI の回答により公平な情報を追加しています。 これらのリソースは AI のトレーニングには使用されません。なぜなら、それは責任ある AI として相応しくないと考えるからです。

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Woman holding a tablet with a circular pattern behind. Icon of a user persona

ユーザー・ファースト

私たちが手掛ける AI 機能は、ユーザーエクスペリエンスを最優先し、ユーザーによる徹底的なテストと審査を経て、AI が効果的に、かつ責任を持って(利用者の皆様の)研究プロセスをサポートすることを保証しています。 流行に追随することは魅力的かもしれませんが、EBSCO は思慮深くかつ責任を持って AI を活用し、純粋に研究プロセスを向上させ、アカデミック・インテグリティを維持する機能に焦点を当てています。

弊社 AI の特徴:

  • EBSCO の司書資格保持者、利用者、お客様によって審査されています。
  • 研究プロセスの1つまたは複数の側面をサポートします。
  • 適合性を評価されています。 より効果的な方法が見つかれば、AI が使われることはありません。

このアプローチにより、コストを抑え、高い品質を保ち、学術研究の経験に大きな影響を与える機能に集中して開発を進めることができるのです。

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Woman holding a tablet with a circular pattern behind. Icon of a user persona
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Man holding a laptop with a circular pattern behind. Icon of hands shaking

データの完全性(インテグリティ)

EBSCO は、弊社の提供する AI 機能がデータポリシーに準拠し、プライバシー、著作権、またユーザーデータを保護することを保証します。 私どもはコンテンツ利用の透明性を維持するため、出版社各社と提携しており、最新の利用規約では、出版社の手掛けるコンテンツを顧客の AI に利用することは、作者や出版社の IP や著作権の侵害にあたるため、できないということを明示しています。

EBSCO は、情報セキュリティおよびプライバシーに関する ISO/IEC 27001、27017、27018、および 27701 規格に準拠しています。 プライバシーおよびセキュリティー保護のため、顧客や利用者のデータをAI モデルと共有することはありません。 また NATO や EU といった責任ある AI のガイドライン、EU の AI 法、その他の国内基準など、進化する AI 規制を注意深くモニタリングし、適応しています。

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