FOLIO ERM(Electronic Resource Management)は、デジタル化がすすむ図書館業務を、更に効率的なものにするための革新的なツールです。FOLIO ERMは、西アジアから中東、北アフリカまでにまたがる国際的な SaaS 専門家チームのインサイトに基づき開発され、電子リソースと物理(紙媒体の)リソースを均しく管理するという、図書館にとって対応が急務の課題をサポートします。
FOLIO ERM が一体どのようなもので、どのように皆様のお役に立つのかご紹介するため、私たちは、主にアジア圏の国々を担当する社内のエキスパートにインタビューを行いました。本記事では、その内容を要約して、簡単にご紹介させて頂きます。
FOLIO ERM について知る
Q. FOLIO とは何ですか?
Peter Kung (中華圏/ 日本 / モンゴル地域担当 Vice President)によれば、FOLIO は “The Future of Libraries Is Open“ の略で、2016 年に Open Library Foundation によって創られた、オープンソースの図書館サービスプラットフォームです。
これは従来の統合図書館システム(ILS)からのパラダイムシフトであり、図書館が変容するニーズに適応できるよう、開かれたコラボレーションとイノベーションに重点を置いています。主に物理的な所蔵(紙媒体の所蔵)に対応していた従来のシステムと異なり、FOLIO は電子リソースと物理(紙)リソースを統合し、図書館のための、未来に備えたソリューションを保証します。
FOLIO ERM の主要な利点
- 能率の向上:
Joseph Mhanna(中東・北アフリカ担当 SaaS Innovation Specialist)は、FOLIO ERM を初めて使用した利用者から、電子リソースのライフサイクル管理が大幅に改善されたという報告があったと共有しました。
FOLIO のプラットフォームは、日常的なタスクを自動化することで、図書館員の負担を軽減し、戦略的優先事項に集中できるようにします。 この効率化されたアプローチは、あらゆる規模の図書館・機関にとって有益です。 - 段階的な導入による柔軟性:
動画の中で Peter Kung は段階的な導入の必要性を強調しています。
予算や人手が限られている図書館では、既存のシステムとの互換性を維持しつつ、FOLIO ERM を段階的に導入することができます。時間の経過とともに、大きな混乱なくフルサービスの FOLIO に移行でき、適応性と費用対効果に優れたソリューションを提供します。 - 地域に合わせたカスタマイズ:
Seonghoon Kim(韓国担当 Library Service Engineer)は、個々の顧客に合わせてカスタマイズされた機能の重要性を強調しました。
例えば韓国では、データベースの検索を強化し、「契約」や「ライセンス」(App の)情報を利用者向けツールに統合する API が開発されました。これらのローカライズを通じ、FOLIO ERM は世界中の様々な図書館が独自に抱えるニーズに対応できます。
実装、および機能について
FOLIO ERM の実装にはどれくらい時間がかかりますか?
Seonghoon Kim によれば、FOLIO ERM の実装には、標準で 12 週間かかります。ただし、お客様が求める個別の要件に適合するためのローカライズ/カスタマイズをご希望の場合は、更にお時間を頂戴する場合があります。
FOLIO ERM にはどのような特徴がありますか?
FOLIO ERM には、使いやすさと機能性を高める革新的なツールが搭載されています:
- データ駆動型 API (Data-driven API): データベースの推奨や検索の強化といった機能を有効にします。
- ライセンス統合 (License integration) : 転換契約下における論文の提出を容易にするなど、高度な機能をサポートします。
これらの機能により、FOLIO ERM は単なる管理ツールではなく、エンドユーザーのエクスペリエンスを強化し得るプラットフォームとなります。
オープンソースおよびクラウドベースの卓越性
オープンソースソフトウェアとしての FOLIO の特徴は何でしょうか?
Peter Kung の説明しているように、FOLIO の中核ソフトウェア自体は自由にご利用頂けるものですが、多くのお客様は、実装・メンテナンス・カスタマイズを EBSCO のようなサービスプロバイダーと連携しし行うことを選択します。
これにより、オープンソーステクノロジーの協調的な理念を維持しつつも、大学・組織・機関のニーズに合わせた質の高いデプロイメントが保証されます。
FOLIO では、クラウドベースのサービスの品質をどのように保証していますか?
Joseph Mhanna は、AWS の認定エンジニアを含む EBSCO 社の強固なオペレーションチームの存在を強調しました。
当該のチームは(FOLIO の)アップデート、パッチ、セキュリティ管理を担当すると同時に、迅速なお客様サポート体制を併せて提供しています。また EBSCO では、図書館サービスベンダーの中でも最大規模の司書資格保持者を擁しており、これによって、図書館固有のニーズに沿ったシームレスなサービス提供を実現しています。
FOLIO ERM:従来のシステムと最新のニーズの架け橋
FOLIO ERM は従来のシステムが残した溝を埋めることで、図書館資料の管理を再定義します。物理的な(紙の)蔵書に重点を置いた従来の ILS プラットフォームとは異なり、FOLIO は拡張性と適応性に優れたソリューションを提供し、電子リソースを統合することで、図書館員の業務環境とエンドユーザーのエクスペリエンス両方の質を向上させます。
動画の中で Peter Kung が述べているように、FOLIO は統一されたシステムで物理(紙媒体)資料と電子資料の双方をサポートできる、唯一の、かつオープンで拡張可能なプラットフォームです。
図書館資料管理の未来
FOLIO ERM は単なるツールに留まるものではありません ―― コラボレーションとイノベーションの力を証明するものです。
EBSCO の国際的な SaaS 製品の専門家で構成されるチームの知見を取り入れて開発された FOLIO ERM は、デジタルファーストの時代に優れた能力を発揮できるよう、図書館の皆様をサポートします。オープンソースの柔軟性と専門的なサポートを組み合わせた FOLIO ERM は、世界中の図書館に変革をもたらすソリューションを提供します。