19世紀の中頃以降、アジア系アメリカ人は、アメリカの発展・文化・社会構造において重要な役割を担ってきました。しかし、中国人排斥や、第二次世界大戦中に行われた日系人の強制収容などの例外を除いて、彼ら固有の歴史は、アメリカの高校では殆ど触れられることがありません。
新型コロナウィルスの世界的パンデミック以来、アジア・太平洋諸島系アメリカ人(AAPI)コミュニティに対する犯罪が増加しました。今、その反省と、AAPI コミュニティとそれを構成する多くのグループの多様な歴史をより深く理解して欲しいという要望が出始めています。
そして私共は AAPI の辿ってきた物語・歴史・人々、そして彼らがどのようにアメリカの豊かかつ複雑な歴史に貢献してきたかについて、学生の皆様が深く掘り下げて学ぶ手助けをしたいと考えています。
例えば、下記の話題について、掘り下げてみるのはいかがでしょうか:
- アジア系アメリカ人は、ブラウン対教育委員会裁判の約70年前に起きた学校分離事件である、テープ対ハーリー裁判(1885年)、親の身分に関係なく米国で生まれた子供に出生権を認めると解釈した米国対ウォンキムアーク裁判(1898年)、当時の人種と市民権の定義を探る、米国対ティンド裁判(1923年)など数々の裁判を通して人種差別的な慣習や法律に抵抗していた。
- エンジェル島を経由したアジア系移民の待遇や体験は、エリス島を経由して(アメリカに)入国したヨーロッパ系移民の体験とは異なっていた。
- フィリピン系アメリカ人のレイバー・オーガナイザーであり、労働運動家であるラリー・イトリオンは、1960年代、セザール・チャベスとともに、農園労働者の公正な労働条件のために連帯して闘った。
- 1960年代後半から1970年代にかけて、アジア由来でも異なるバックグラウンドを持つ人々が初めて「アジア系アメリカ人」という言葉のもとに協力し(公民権を求めるアフリカ系アメリカ人の努力に触発されて)民族研究のカリキュラム設置、ベトナム戦争の終結、第二次世界大戦中の日系人強制収容に対する補償などを求め、組織的に闘った。
- 2001年9月11日の事件は、南アジアのシーク教徒・イスラム教徒・アラブ系アメリカ人に対する反発を引き起こし、その差別の影響は長く続くことになった。
- アジア系アメリカ人は、アメリカの政治・スポーツ・文学・文化・エンターテインメントに貢献してきた。
これらのトピックについて調べることは、今日のアジア系アメリカ人の視点を理解するだけでなく、米国の歴史を理解する上で、異なる意見・協力・視点を取り入れることがいかに重要であるかを理解するのに役立つことでしょう。
ABC-CLIO ならびに弊社は、AAPI の歴史と文化が年間を通して学習に取り入れられることの重要性を認識しています。
ABC-CLIO 主催の無料オンラインセミナー(*英語のみでのご案内です)では、Noreen Nasim Rodríguez 博士による専門性の高い講義が行われており、より多彩な方策を確認することができます。
2022年秋頃のリリースを予定している ABC-CLIO 製のデータベース The Asian American Experience は、米国の多様なアジア系アメリカ人の歴史と文化に関する学生の研究を支援します。 The Asian American Experience は、ABC-CLIO 製の American Mosaic シリーズへの最新の追加製品です。
American Mosaic は入賞歴があり、Tech & Learning 社によって、文化的に適切なカリキュラムの開発と実施を支援する「Best Tool for Back to School」として、また EdTech Digest によって、2022年度の best social studies solution の最終選考対象に選ばれています。